教員の知的行動学 No.1

                                         

秘書をもとう
1、日程帳を秘書にしよう

 教員に秘書がいれば「今日の予定は〜です。」
「第2校時の休み時間には、〜部会が開かれます。」
「第3校時は、算数は〜を〜のように教えることです。」と教えてくれる。
 そのとおりに行動すれば済む。
 ところが、秘書はいないので、自分の全ての行動は自分で覚えていなければならない。
 自分で考え、自分で行動しなければならない。
 学級での授業は、6時間あれば、内容は6時間異なる。
 その上、児童への連絡も多い。
 対教員との話し合い、保護者との相談、教員は本当に忙しく、頭の中は種種雑多、はちきれんばかりの多さである。
 もしもその中の一つでももれてしまうと、たちまち児童や保護者、同僚教員からの信頼を失ってしまうことになる。
 秘書がいればこうしたことはないので、秘書が欲しいと思うことしきりだ。
 そこで、秘書の代わりになって、漏れのないように管理してくれるものが必要になってくる。

 それが、日程帳である。
 その日程帳は、左ページが週計画になっていて、右ページが白紙で書き込めるものが最適だ。
 大学ノートでもよいと思う。
 A4の大きさだとかなり書き込める。
 書き込む内容が増えた時は、ノートの間に紙をはると、どんなにたくさん書き込むことがあっても大丈夫だ。
 左ページは、まん中で二つに分ける。
 その左側には、週の計画、一日の計画・連絡メモ等を全て書き込んでおく。





 職員会議や学年会等で、行事計画が配られますが、その要点を全て書き込んでおく。
 いつ書き込むかというと、書き込む時間は、資料が配られた直後に限る。
 職員会議をやっているならば、その会議中に決定事項については書き入れてしまうのだ。
 そうすると漏れはなくなる。
 左ページの右側には、朝の会議で決まったことや、連絡メモ等の記入にあてることにする。
 ともかく、聞いたことは全て、記入しておく。
 こうすることによって、一日の行動の中で、連絡が漏れてしまうことはなくなるようになる。
 
 

2、 5W1Hでなくて、4Wを書き込んでおこう

 ニュースの条件は、5W1Hだそうだ。
 しかし、教員の日程帳に記入する内容は、4Wで間に合う。
 それは「いつ、どこで、誰が、何を」で十分だ。
 たとえば「放課後、第1会議室、4年学年会、春の遠足」で、十分ということになる。
 職員会議などで配られる文書には、たくさんの計画が書かれている。
 その中で、協議の後決定した事項で、自分と自分のクラスの児童に関係するところに朱線を入れる。
 そして、「4W」を考えながら、日程帳に記入しておく。
 突然に、朝1枚だけ文書が配られたりする場合もある。
 面倒がらずに、日程帳に記入する。
 その1枚が、とても大切だったりして、後で見つからなくて困った経験が私が教員だったときにあった。
 面倒がってはいけない。
 この日程帳1冊があれば、全てわかるようにしておくのだ。
 そして、要点を書き込んでしまった文書は、職員会議録として、日程順にファイルしておく。
 学校行事とか教育課程とかに分類してファイルしたこともあったが、「全文書綴り」として、ファイルしたほうが探しやすい  ものだ。
 「1学期全文書綴り」とか「2学期全文書綴り」とか、各学期1冊ずつにしておくと、探しやすい。
 

3、右ページは、週案にしよう

 右ページは、罫線を引いて週案として使います。
 なぜ1冊の日程帳に週行事と週案を入れておくのかというと、見開きになっているので、便利だからです。
 たとえば、火曜日の2校時に遠足の学年集会を計画したとします。
 週行事計画に書いてあるのを、週案にも2校時学年集会とすぐに書き込めるからです。
 週案が別のノートになっていると、週行事を書き込む時に、別のノートを開かなければならないからです。
 秘書が二人いるようなもので、やはり1冊の日程帳で、自分の行動の管理をしたほうが、より行動しやすいものです。
 

4、三ムを無くして、知的行動を

 学校には、情報があふれている。
 その情報の中から、自分に必要なもの、自分のクラスに必要なものを的確に選択し、行動することが大切だ。
 忘れないように必ずメモし、自己の行動の管理をしていくことが必要なのだ。
 1冊の日程帳を持ち、秘書代わりに活用するところから、教員の知的行動は生まれてくる。
 「うちのクラスの先生って、忘れたことないもんね。」
 児童から、こういう声が聞こえ始めたら、しめたものだ。
 そのためには、ムラがあっては駄目だ。
 めんどくさがらずに、ムラのないように、こまめに日程帳を活用する。
 必要な情報は必ず記入するという習慣をつけることなのだ。
 そしてムダがないようにすることだ。
 もちろんミスを起こさないようにも気をつけりようにする。
 また、ムリをしないようにすることだ。
 ムラ、ムダ、ムリの三ムをなくして、毎日のあふれる情報に対応していきたいものだ。

 情報を的確に集め、しっかり管理して毎日の生活を送りたい。
 それが教員の知的行動だと思う。
                                

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